Japanische Klassiker mit Furigana
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がもううじさと
蒲生氏郷
幸田 露伴
Lesen Sie 蒲生氏郷 (がもううじさと) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.772 Zeichen · 128 Bildschirme
侍座して居たのは山崎家勝というものだった。如何に深沈な人とは云え、かかる芽出度き折に当って何か考えに沈んで居る主人の様子を、訝しく思って窃に注意した。すると是は又何事であろう、やがて氏郷の眼からはハラハラと涙がこぼれた。家勝は直ちに看て取って怪んだ。が、忽ちにして思った、是は感喜の涙であろうと。蟹は甲に似せて穴を掘る。仕方の無いもので、九尺梯子は九尺しか届かぬ、自分の料簡が其辺だから家勝には其辺だけしか考えられなかった。然しそれにしては何様も様子が腑に落ち兼ねたから、恐る恐る進んで、恐れながら我が君には御落涙遊ばされたと見受け奉ってござるが、殿下の取分けての御懇命、会津四十二万石の大禄を被けられたまいし御感の御涙にばし御座すか、と聞いて見た。自分が氏郷であれば無論嬉し涙をこぼしたことであろうからである。すると氏郷は一寸嘆息して、ア、其様なことに思われたか、我羞かしい、と云ったが、一段と声を落して殆んど独語のように、然様では無い山崎、我たとい微禄小身なりとも都近くにあらば、何ぞの折には如何ようなる働きをも為し得て、旗を天下に吹靡かすことも成ろうに、大禄を今受けたりとは申せ、山川遥に隔たりて、王城を霞の日に出でても秋の風に袂を吹かるる、白川の関の奥なる奥州出羽の辺鄙に在りては、日頃の本望も遂げむことは難く、