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Japanische Klassiker mit Furigana

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くらのにかい

蔵の二階

豊島 与志雄

Lesen Sie 蔵の二階 (くらのにかい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.351 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

たとい火災があったとて、まあ大丈夫だろう。建築費の点も、僅かな坪数だから、大したこともあるまいし、そのようなことをとやかく言うカヨではない。

白壁造りの家のことを、桂介がぽつりぽつり匂わせると、カヨは次第に乗り気になってきた。

「そのような家は、今はなくなったけれど、昔はよくありましたよ。」

而も、由緒ある旧家に多かったのだ。カヨは白壁造りに賛成した。白壁造りに賛成したことは、つまり新築に賛成したことである。それでもやはり、彼女は白猫を抱いて何やら考えこんでいる。彼女の顔を見ても、猫の顔を見ても、何を考えてるのかさっぱり分らない。

美津子夫人は、白壁造りの話を聞いて、呆れたように眼を丸くした。

「まあ、今じぶん、なんて考えでしょう。」

彼女は自らカヨを訪れて来た。

客まで一切、二階の室には通さないのである。二人は一階で、親しげに話をした。久子はお茶をいれて、しばらく世間話に加わり、それから子供達を連れて菓子を買いに行った。帰って来ると、二人の気色が変っていた。美津子は菓子にも手をつけず、そこそこに辞し去った。

珍らしいことには、カヨはしんから腹を立てていた。