Japanische Klassiker mit Furigana
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じゃせいのしゅうねん
蛇性の執念
大倉 燁子
Lesen Sie 蛇性の執念 (じゃせいのしゅうねん) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.981 Zeichen · 38 Bildschirme
誰も入ってはならないという書斎に何人かこっそりと忍び込んだのでしょう。そして何のためにこの写真を残して去ったのでしょう。一体それはいつの事でしょう。これは何か文夫さんの死に関係があるのではあるまいか。私の好奇心は少しずつ動き始めました。
私はお梶さんに訊いてみました。
『このお写真は、このお邸内には一枚もないはずだと仰しゃいましたね。それはどういう理ですの?』
『細かい事はここでは申上げかねますが、このお写真はたった一枚を残して全部破り棄てられたのでございます。種板までも――』
『そして残った一枚は?』
『それは――。その一枚を持っていた人が、ここへ来たんでございましょうか?』
お梶さんは昂奮に震るえて、その顔は真青になって居りました。
私はもう一度写真を見改めましてから、お梶さんに訊いてみました。
『実はね、このお方昨日ある処でお見かけしたように思うんですが、違いますか知ら? お年頃は五十がらみで、何だか頬に大きな傷がおありになりはしないでしょうか?』
それを聞いてお梶さんは一層青くなりました。急に眩がすると云って、額を押えながら引退ってしまいましたので、これ以上何も訊くことが出来ませんでしたが、お梶さんのこの様子を見て、この写真と文夫さんの自殺との間には、何等かの関係があるに相違ないと疑わずにはいられませんでし