Japanische Klassiker mit Furigana
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じゃせいのいん
蛇性の婬
田中 貢太郎
Lesen Sie 蛇性の婬 (じゃせいのいん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.880 Zeichen · 54 Bildschirme
許宣は受けて袖の中へ入れた。
「それでは、今日はもう遅いようですから、お帰りになって、またいらしてくださいまし」
小婢がそこへ傘を持って出て来た。許宣はふらふらと起って傘を持って出た。
許宣は夜になって姐の許へかえって、結婚の相談をしようと思ったが、人生の一大事のことを、世間ばなしのように話したくないので、その晩は何も云わずに寝て、翌朝起きるなりそれまで貯えてあった僅かな銭を持って、市場に往き、鶏の肉や鵞の肉、魚、菓実、一樽の佳い酒まで買って来て、それを己の室へならべて、李幕事夫婦を呼びに往った。
「今朝は、私のところで御飯を喫べてください」
李幕事夫婦はひどく不思議に思って、許宣の室へやって来た。そして夫婦は卓の上の御馳走を見て驚いた。
「今日は、ぜんたいどうしたと云うのだい、へんじゃないか」
李幕事は突立ったなりに云った。
「すこしお願いしたいことがありますからね、どうか、まあお掛けください」
許宣はとりすまして云った。
「どんなことだ、さきに云ってみるが宜い」
「まあ、二三杯あがってください、ゆっくり話しますから」
許宣は李幕事夫婦に酒を勧めた。酒は二巡三巡した。