Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.726 Zeichen · 90 Bildschirme
併し事態がもっと穏やかな状態にあれば使えるしびんであるが、こんなに心が混乱していてはこれも使えない、汽車は三メートルくらい高い所を走ってレールについていないようだ。眼を閉じて殆ど正座しているふうに姿勢を崩さないでいると全身に汗を感じて来た。
厚顔無恥という状態で私は列車のはばかりに通い、一生を此処に圧搾して小便を信じようとしていた。こんど空戻りをするようなことがあれば、いくら何でも此処にはもう通えないのだ、私が立つと乗客の顔が一せいに向きを変える、この男ははばかりに立ってばかりいるが、変な奴だ、まともの男でないことだけは判るという眼つきが、傲慢を衒っていながら傲慢が三文の値にもならないことに気づいて、私は公園にでも散歩した帰りのような陽気なふうをして見せた。実はだめだったのだ。レールの上をがあーといって走る列車の騒音では、何のために其処に行ったかという用件を取り上げられ、私自身は空っぽであった。そこにいる時間の恐ろしさが私を急き立てた。乗客が一せいに立ち上って騒ぎはじめ、私が突然身投げでもしていはしないかということで、車掌と話し合っている。私はただ手を洗ったばかりで狭い廊下に出ると、そこに奥テル子が立っていてどうかなさったのではないかと、迎えに来たといった。