Japanische Klassiker mit Furigana
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ひきがえるをたべたはなし
蝦蟇を食べた話
北大路 魯山人
Lesen Sie 蝦蟇を食べた話 (ひきがえるをたべたはなし) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.415 Zeichen · 7 Bildschirme
かなにかに、洞窟の蟾は美味であるとあったと思うが、私はこの穴を見て、
「ハハア、これだな」
と、思った。これまで洞窟という文字から、何か大きな岩穴のようなところにでもいる蝦蟇のことかと考えていたが、そうではなくて、やはり、冬眠中の穴にいる蝦蟇を指したものに違いない。
それはさておき、この穴がなかなか深く、蝦蟇はちょうど肩の辺まで腕を入れねば届かないような奥に眠っている。だから、池の縁の方からかがんで手を入れても、蝦蟇のところまでは届かない。どうしても、池の中に入ってやるほかはない。
そうなると、初めは元気なことを言って出掛けて来た職人たちも、
「一円か二円か知らんが、いややなあ」
などと弱音を吐く者が出て来た。中には手を入れて、ぐにゃっとしたものに触れると、「ワッ」と声を挙げて、手を引っ込めてしまう者などもあって、大騒ぎだ。蝦蟇は眠っているとは言え、死んでいるわけではないから、ぐにゃぐにゃしているに違いない。蝦蟇に違いないと誰もが信じているのだが、しかし、いよいよ引き出してみるまでは、果して蝦蟇なのやら、あるいは蛇なのやら分らない。それだけに気味が悪いとみえて、みななんとか言いながら、ウジウジしている。