Japanische Klassiker mit Furigana
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スペインのこい
西班牙の恋
国枝 史郎
Lesen Sie 西班牙の恋 (スペインのこい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.387 Zeichen · 49 Bildschirme
四 微妙な銀笛の音色
「それでも何うしてダンチョン様が、兄に仰有った言葉まで承知していらっしゃるのでございますの?」
「ははあ夫れではダンチョン氏が、兄様にそんな事を云いましたか? ただ一発でぶち殺すぞと……ダンチョン氏の方で云ったのですね」
探偵は愛想よく笑いました。
「だってお嬢さん、こんな言葉は、人間が少しく昂奮すると、普通云う平凡な悪口ですよ。特に殺伐な西班牙ではね……ですから私も唯何気なく、常識でそう申したばかりです。こんな事は重大ではありません。一向重大ではありませんけれど、警察の連中の耳に這入ったら重大に思うかもしれませんな。如何です。警察の連中は、この事を知って居りますか?」
「存じてはいないだろうと思います。私は一口も申しませんし、召使は兄とダンチョン様とが議論したことを知りませんので」
「それは大変好都合でした。と云うのはダンチョン氏の為にですよ。そんな事でも知ろうものなら、警察の奴等めダンチョン氏を愈々疑うに決っています。やれやれ盲目には手がつけられぬ」
四 微妙な銀笛の音色
イバネス探偵は苦笑して、それから改めて訊きました。
「ねえ、お嬢さん、警察では、何の理由でダンチョン氏を拘引したんでございましょうな?」