Japanische Klassiker mit Furigana
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スペインのこい
西班牙の恋
国枝 史郎
Lesen Sie 西班牙の恋 (スペインのこい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.387 Zeichen · 49 Bildschirme
八 美しい娘の声
これで八回目の人攫いだ! ドニメ、どうだい俺と一緒に、警察へ一寸行こうじゃないか」
「旦那に逢っちゃ敵わねえ。へえへえ何んでも申します」
ドニメは私の嚇しに乗ってすぐ降参して了いました。
「ボヘミアの奴等でございますか。ええと、彼奴等、問わず語りに、アンダルシア地方へ行くなんて、こんな事云って居りましたよ」
「ほほオ、偉い方へ行ったんだな……それで何うだい、え、ドニメ、美しい娘達もいたろうな?」
「ボヘミアの娘達と来やがったら、どれもこれも像のように綺麗ですよ――ええと、その中、何んと云ったかな? そうそう一人ゴッサンという素晴らしい娘が居りましたぜ。そいつぁ本当に綺麗でした。マドリッドの侯爵の姫君だって、とても敵やあしませんな」
「よしよしそれでもう結構だ」私はズボンのかくしから銀貨を一掴み掴み出してテーブルの上へ投げ出してから、ドニメの家を飛び出しました。
そして直ちにアンダルシア指して発足したのでございます。
八 美しい娘の声
ご承知の通りアンダルシアは亜弗利加に向い合って居りますので、その熱いことと云いましたら、お話にも何んにもなりません。熱い太陽に照らされ乍ら、最初に私の訪ねたのはセヴィラの町でございます。