Japanische Klassiker mit Furigana
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おやというにじ
親という二字
Lesen Sie 親という二字 (おやというにじ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.004 Zeichen · 7 Bildschirme
みんな飲んでしまいなさい、と私はよっぽどかれに言ってやろうかと思った。
しかし、それからまもなく、こんどは私が、えい、もう、みんな飲んでしまおうと思い立った。私の貯金通帳は、まさか娘の名儀のものではないが、しかし、その内容は、或いは竹内トキさんの通帳よりもはるかに貧弱であったかも知れない。金額の正確な報告などは興覚めな事だから言わないが、とにかくその金は、何か具合いの悪い事でも起って、急に兄の家から立ち退かなければならなくなったりした時に、あまりみじめな思いなどせずにすむように、郵便局にあずけて置いたものであった。ところがその頃、或る人からウィスキイを十本ばかりゆずってもらえるあてがついて、そのお礼には私の貯金のほとんど全部が必要のようであった。私はちょっと考えただけで、えい、みんな酒にしてしまえ、と思った。あとはまたあとで、どうにかなるだろう。どうにかならなかったら、その時にはまた、どうにかなるだろう。
来年はもう三十八だというのに、未だに私には、このように全然駄目なところがある。しかし、一生、これ式で押し通したら、また一奇観ではあるまいか、など馬鹿な事を考えながら郵便局に出かけた。