Japanische Klassiker mit Furigana
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おやはながめてかんがえている
親は眺めて考えている
金森 徳次郎
Lesen Sie 親は眺めて考えている (おやはながめてかんがえている) von 金森 徳次郎 (かなもりとくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.403 Zeichen · 29 Bildschirme
閣議に出る人々の顔を見ても、積極的に支持してくれる人はない。困った奴だという顔をしている。身辺は、住宅を含めて、五人の警察官によって保護されている。
辞表を書いて懐中に持ちながら諸般の事情によりその提出も出来ず待機しているという不思議な運命の下に暮すこと一年で、昭和十一年の新春に、やっと辞表を平穏に出すことが出来た。以上のことを述べたのは、私の気持ちが、一種の闘争と防衛とにとらわれていたことを言いたかったのだ。そして当時平静に仕事をしていたけれども、その裏面には憤りを含んでいたことが言いたかったのだ。
官を辞して護衛警察官が退却し、のびのびと手足をのばして好い気になっていたとたん、二月二十六日の朝、雪降る中にトラックに乗った警察官の一群が寝込みをついてやって来た。
「事変が起りました」と言う。つまり例の二・二六事件が起ったのだ。十時頃になって、様子がわかった。事件の性質上、御家族に危害を加えることは万あるまいから、あなた自身だけ退散したがよいと言う。すなわち飄然と東京駅へ出て、黒雲物凄き都を去り、人に行方を知らせず、約一月半程行方不明になったのである。