Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
しかし約束は必ず守る。後刻陶然として葉巻を燻しながら駈けつける。
僕が佐久間先生を面白いお医者さんだと思ったのは尋常六年の時だった。天然痘が流行って皆学校で種痘をしたけれど、僕は病気で休んでいたから、日曜の朝後から一人お願いに上った。先生が僕の腕をアルコールで拭いているところへ、
「先生今日も又いたずら小僧共が裏の梅を盗みに来ています」
と薬局生が注進に及んだ。
「何人来ている?」
「十人ばかりいます。表から廻って捉えましょうか?」
「うっちゃって置け。うっちゃって置け」
「皆取ってしまいますよ」
「取れば結構さ」
「何故です?」
「あの梅は未だ種が固っていない。ああいうのを食った奴は六十パーセントぐらいまで中毒する。皆近所の子供だろう? 十人なら詰り患者が六人来る道理だ。梅は取られても損はないよ」
と笑いながら先生は僕の種痘にかかった。これだから佐久間医院は小児科の患者が多いのだろうと思った。
「奥さん、何うでしょう? 私は診察料を貪り過ぎましょうか?」
と佐久間さんが訊いたことがある。天真爛漫だから疑問とするところを直ぐ口に出す。しかし斯ういうのは殊に答え悪い。