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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

お祖父さんは早速植木屋の親爺を呼んで、

「何うだね? 今度は一つ思い切って大きいのにしようと思うが、品物はあるかい?」

と相談した。

「ありますとも。『千本桜』の椎の木場に負けないような奴を持って参ります」

「大きい分にはいくら大きくても宜い」

「かしこまりました。旦那、植木屋は御隠居さん相手に限りますよ」

と親爺は喜んだ。

「何故ね?」

「若旦那なら中どころを御註文なさいまさあ。若い方は鋳掛屋の天秤棒で先が長うがすからな。然るところ旦那さまや手前どもになりますと、もう一番勝負です。後がありません」

「成程」

「三年五年と木の伸びるのを待っちゃいられません」

「如何にも然うだな。時に爺さんは幾つになるね?」

「安政五年、午の六十九です」

「ふうむ、それじゃ俺の方が上か? 俺は巳の七十だ」

「それ、御覧じませ。旦那の方が爺さんです。大きいのを植えようか小さいので間に合せようかという時、此方から申すと十両儲かるか一両が切れるかという時、お年寄がノコノコ出て参ればもう占めたものです。金に糸目はつけませんや。盆栽にしても然うですよ。お年寄には好いものを高く押っ付けます。それで忰にも能く教えてありますが、御隠居さんをおびき出すことですよ、植木屋渡世の呼吸はね」