Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
「これが僕のところからのレコードだろうね。電車運が好かったから、些っとも無駄がなかった」
「お家の前で飛び乗りをなすったでしょう?」
「能く知っているね。乗換も飛び乗りさ」
「危いですな」
「何あに、大丈夫さ。時に代数だが、この方は頗る怪しいものだぜ。入学試験の頃は相応やったが、もう悉皆忘れてしまった」
と芳夫さんは弱音を吹いた。
「そんなこともないでしょう」
「まあ、やって見ようか。何れだね? 成るべく易しい奴にしてくれ給え。大変な先生だろう?」
「これですよ」
と僕は手当り次第に一題指し示した。気がつくと、それは自分で出来たのだったが、目的は観察にある。しかし芳夫さんはそれを解くのに三十分もかかった。
「何うもいけない。こんなに手間がかかっちゃ家庭教師お願い下げだ」
「いいえ、結構ですよ」
「英語なら確信があるけれど、数学は駄目だ」
と芳夫さんは素より代数の為めに来たのでないし、僕も真の附けたりに過ぎなかったから、そのまま雑談を始めた。
「慶応大学の方は定ったんですか?」
「定った。今度は大にやる。時に源太郎君、母がこの間来て、君の大きくなったのに驚いていたよ。僕に良く似ているってさ」