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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

もっと数学を御勉強なすったら如何?」

と絹子さんは御催促に及ぶ。

「勉強しているんですよ、これでも。代数の分らないのが二つ三つ溜まっていますから、今夜あたり又芳夫さんに来て戴かなければなりません」

と僕は気を利かして早速四谷へ電話をかける。

芳夫さんは数学は不得手だけれど、英語は迚も能く出来る。如何にも入学試験に出そうな問題を拵えて教えてくれる。それに未だ学校を卒業したばかりで試験については敏感だから同情が深い。普通の家庭教師のように、

「出来れば必ず入れます」

というような思い切りの好いことは言わない。受験者は出来なくても入りたいから煩悶するのである。

「出来て及第するのは当り前さ。イヨイヨ窮したら、出来なくても及第する法を考えなければならない」

という積極方針を授けてくれる。

「カンニングをやるんですか?」

と僕は驚いてしまう。

「いや、不正行為は絶対にいけない。しかし試験場へ入ったら馬鹿正直は慎み給え」

「一体何うするんですか?」

「出来ないからって白紙を出すようじゃお話にならない。全然見当のつかんことはないんだから、何か書くんだね。間違っていても書いてさえあれば、先生によっては書き賃をくれるよ」