Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
「いいえ、新聞社へは入りません」
「新聞記者じゃないのかい?」
「ええ、小説家になります」
と僕は淀みなく答えた。これぐらい金にならないものなら申分あるまいと思って内心得意だったのである。
「小説家? ふうむ」
「厭やですよ厭やですよ。源太郎や、私はのらくらものは芳夫さん丈けでも困っているんですからね」
とお母さんは果して不服だった。
「小説家必ずしものらくらものとは限らないが、これは些っと案外だったね」
とお父さんも小首を傾げた。
「あなた、親の感化って恐ろしいものでございますわね。十六や十七で小説家になろうなんて言い出すんですもの」
とお母さんは僕が謀叛でも思い立ったように言った。
「少し薬が利き過ぎたかな。無論大学へは行く積りだろうね?」
「大学へ行って文科をやります」
「文科と定めて、もっと考えて見るさ」
とお父さんは賛否を明かにしなかった。
「源太郎や、私はお前が法科へ入って本郷の伯父さんのように立派な実業家になってくれるものとばかり思っていましたよ。平常から然う頼んで置いたのにね」
とお母さんは文科と定める丈けでも期待を裏切られたようだった。
「でも僕は商売は嫌いですもの」