Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
君は一人前が漸くかい?」
「漸くです」
「牛肉なら何うだね? 我輩も無理なことは言わない。あれなら誰でも食えるものだ。三人前食えるだろう?」
「精々二人前でしょうな」
「それじゃ牛肉にしよう。そんな若い身空でお上品なことを言っていると、初老にならない中にへたばってしまうぜ。我輩も牛肉丈けは未だに三人前食える。些っと元気を出し給え。出世は寿命の問題だ。寿命は食えるか食えないかによって定る」
と大男は尚お持論を主張して間もなく下りたが、恐らく若いのを牛肉屋へ引っ張って行ったのだろう。
初老とは四十歳の異称と覚えている。こんな熟字が入学試験に出ないとも限らないから、僕は念の為めに辞書を引いて見たら果してその通りだった。しかし初老の内容に至っては研究を要する。然う急に小便が出たり白髪が生えたりするのは、聊か誇張のように考えられた。お父さんは初老が過ぎて厄年である。日本人は年を苦労にする所為か、年齢の別称が甚だ多い。兎に角此年が四十二の本厄、去年が四十一で前厄、一昨年が初老と来ている。余りお芽出度い年廻りでない。
「あなた、此年は厄年ですから殊にお気をつけ下さいよ」