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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちゅうもんちょう

註文帳

泉 鏡花

Lesen Sie 註文帳 (ちゅうもんちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.770 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

ばかりの処へ、たとえ頼まれたッても変だから。

そういう訳です、ともかくもその頼まれたものを上げましょう、」といって、無造作に肱を張って、左の胸に高く取った衣兜の中へ手を入れた。――

固くなって聞いていた、二人とも身動きして、お若は愛くるしい頬を支えて白い肱に襦袢の袖口を搦めながら、少し仰向いて、考えるらしく銀のような目を細め、

「何だろうねえ、杉や。」

「さようでございます、」とばかり一大事の、生命がけの、約束の、助けるのと、ちっとも心あたりは無かったが、あえて客の言を疑う色は無かったのである。

「待って下さい、」とこの時、また右の方の衣兜を探って、小首を傾け、

「はてな、じゃあ外套の方だった、」と片膝立てたので。

杉、

「私が。」

「確か左の衣兜へ、」

と差俯いた処へ、玄関から、この人のと思うから、濡れたのを厭わず、大切に抱くようにして持って来た。

敷居の上へ斜に拡げて、またその衣兜へ手を入れたが、冷たかったか、慄としたよう。

二十一

「可うございますよ、お落しなさいましても、あなたちっとも御心配なことはないの。」

探しあぐんで、外套を押遣って、ちと慌てたように広袖を脱ぎながら、上衣の衣兜へまた手を入れて、顔色をかえて悄れてじっと考えた時、お若は鷹揚に些も意に介する処のないような、しかも情の籠った調子で