Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうもんちょう
註文帳
泉 鏡花
Lesen Sie 註文帳 (ちゅうもんちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.770 Zeichen · 67 Bildschirme
」
「だからさ、」
「大概御存じだろうと思うが、じゃあ知らねえのかね。この十九日というのは厄日でさ。別に船頭衆が大晦日の船出をしねえというような極ったんじゃアありません。他の同商売にはそんなことは無えようだが、廓中のを、こうやって引受けてる、私許ばかりだから忌じゃあねえか。」
「はて――ふうむ。」
「見なさる通りこうやって、二百三百と預ってありましょう。殊にこれなんざあ御銘々使い込んだ手加減があろうというもんだから。そうでなくッたって粗末にゃあ扱いません。またその癖誰もこれを一挺どうしようと云うのも無えてッた勘定だけれど、数のあるこッたから、念にゃあ念を入れて毎日一度ずつは調べるがね。紛失するなんてえ馬鹿げたことはない筈だが、聞きなせえ、今日だ、十九日というと不思議に一挺ずつ失くなります。」
「何が、」と変な目をして、捨吉は解ったようで呑込めない。
「何がッたって、預ってる中のさ。」
「おお、」
「ね、御覧なせえ、不思議じゃアありませんかい。私もどうやらこうやら皆様で贔屓にして、五助のでなくッちゃあ歯切がしねえと、持込んでくんなさるもんだから、長年居附いて、婆どんもここで見送ったというもんだ。