Japanische Klassiker mit Furigana
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ちかいのまき
誓之巻
泉 鏡花
Lesen Sie 誓之巻 (ちかいのまき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.856 Zeichen · 16 Bildschirme
「それがどうすりゃいいんだか。」
「さあ、母様のことも大抵いい出しはなさらないし、他に、別に、こうといって、お心懸りもおあんなさらないようですがね、ただね、始終心配していらっしゃるのは、新さん、あなたの事ですよ。」
「僕を。」
「ですからどうにかして気の休まるようにしてあげて下さいな。心配をかけるのは、新さんあなたが、悪いんですよ。」
「え。」
「あのね、始終そういっていらっしゃるの。(私が居る内は可いけれど、居なくなると、上杉さんがどんなことをしようも知れない)ッて。」
「何を僕が。」
予は顔の色かわらずやと危ぶみしばかりなりき。背はひたと汗になりぬ。
「いいえ、ほんとうでしょう、ほんとうに違いませんよ。それに違いないお顔ですもの。私が見ましてさえ、何ですか、いつも、もの思をして、うつらうつらとしていらっしゃるようじゃありませんか。誠にお可哀相な様ですよ。ミリヤアドもそういいましたっけ。(私が慰めてやらなければ、あの児はどうするだろう)ッて。何もね、秘密なことを私が聞こうじゃありませんけれど、なりますことなら、ミリヤアドに安心をさしてあげて下さいな。え、新さん、(私が居さえすりゃ、大丈夫だけれど、どうも案じられて。