Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうわく

誘惑

芥川 竜之介

Lesen Sie 誘惑 (ゆうわく) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.007 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

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船長は星を手の平にのせ、彼に「見ろ」と云う手真似をする。

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星をのせた船長の手の平。星は徐ろに石ころに変り、石ころは又馬鈴薯に変り、馬鈴薯は三度目に蝶に変り、蝶は最後に極く小さい軍服姿のナポレオンに変ってしまう。ナポレオンは手の平のまん中に立ち、ちょっとあたりを眺めた後、くるりとこちらへ背中を向けると、手の平の外へ小便をする。

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前の山みち。「さん・せばすちあん」は船長のあとからすごすごそこへ帰って来る。船長はちょっと立ちどまり、丁度金の輪でもはずすように「さん・せばすちあん」の円光をとってしまう。それから彼等は樟の木の下にもう一度何か話しはじめる。みちの上に落ちた円光は徐ろに大きい懐中時計になる。時刻は二時三十分。

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この山みちのうねったあたり。但し今度は木や岩は勿論、山みちに立った彼等自身も斜めに上から見おろしている。月の光の中の風景はいつか無数の男女に満ちた近代のカッフェに変ってしまう。彼等の後は楽器の森。尤もまん中に立った彼等を始め、何も彼も鱗のように細かい。

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このカッフェの内部。「さん・せばすちあん」は大勢の踊り子達にとり囲まれたまま、当惑そうにあたりを眺めている。