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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうわく

誘惑

芥川 竜之介

Lesen Sie 誘惑 (ゆうわく) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.007 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

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彼は十字架の前にひれ伏し、もう一度熱心に祈りを捧げる。

24

「さん・せばすちあん」の右の耳。耳たぶの中には樹木が一本累々と円い実をみのらせている。耳の穴の中は花の咲いた草原。草は皆そよ風に動いている。

25

前の洞穴の内部。但し今度は外部に面している。円光を頂いた「さん・せばすちあん」は十字架の前から立ち上り、静かに洞穴の外へ歩いて行く。彼の姿の見えなくなった後、十字架はおのずから岩の上へ落ちる。同時に又水瓶の中から猿が一匹躍り出し、怖わ怖わ十字架に近づこうとする。それからすぐに又もう一匹。

26

この洞穴の外部。「さん・せばすちあん」は月の光の中に次第にこちらへ歩いて来る。彼の影は左には勿論、右にももう一つ落ちている。しかもその又右の影は鍔の広い帽子をかぶり、長いマントルをまとっている。彼はその上半身に殆ど洞穴の外を塞いだ時、ちょっと立ち止まって空を見上げる。

27

星ばかり点々とかがやいた空。突然大きい分度器が一つ上から大股に下って来る。それは次第に下るのに従い、やはり次第に股を縮め、とうとう両脚を揃えたと思うと、徐ろに霞んで消えてしまう。

28

広い暗の中に懸った幾つかの太陽。