Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうわく
誘惑
Lesen Sie 誘惑 (ゆうわく) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.007 Zeichen · 17 Bildschirme
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蝋燭の火かげの落ちた岩の壁。そこには勿論はっきりと「さん・せばすちあん」の横顔も映っている。その横顔の頸すじを尻っ尾の長い猿の影が一つ静かに頭の上へ登りはじめる。続いて又同じ猿の影が一つ。
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「さん・せばすちあん」の組み合せた両手。彼の両手はいつの間にか紅毛人のパイプを握っている。パイプは始めは火をつけていない。が、見る見る空中へ煙草の煙を挙げはじめる。………
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前の洞穴の内部。「さん・せばすちあん」は急に立ち上り、パイプを岩の上へ投げつけてしまう。しかしパイプは不相変煙草の煙を立ち昇らせている。彼は驚きを示したまま、二度とパイプに近よらない。
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岩の上に落ちたパイプ。パイプは徐ろに酒を入れた「ふらすこ」の瓶に変ってしまう。のみならずその又「ふらすこ」の瓶も一きれの「花かすていら」に変ってしまう。最後にその「花かすていら」さえ今はもう食物ではない。そこには年の若い傾城が一人、艶しい膝を崩したまま、斜めに誰かの顔を見上げている。………
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「さん・せばすちあん」の上半身。彼は急に十字を切る。それからほっとした表情を浮かべる。
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尻っ尾の長い猿が二匹一本の蝋燭の下に蹲っている。