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Japanische Klassiker mit Furigana

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ろんごものがたり

論語物語

下村 湖人

Lesen Sie 論語物語 (ろんごものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.688 Zeichen · 266 Bildschirme

Aozora Bunko

門人仲間では謙遜家のように評されているが、それは負惜しみや、ずるさから出る、表面だけの謙遜であることを、彼自身よく知っていた。彼は自分の腹の底に、卑怯な、小ざかしい鼬のような動物が巣喰っていて、いつも自分を裏切って、孔子の心に背かしているような気がしてならなかった。

(俺は道を求めている。この事に間違いはないはずだ。)

彼はたしかにそう信じている。しかし同時に、彼の心のどこかで彼が道を逃げたがっていることも、間違いのない事実であった。そして、

(駄目だ。俺は孔子の道とは、もともと縁のない人間だったのだ。)

彼は、このごろ、しみじみとそう思うようになった。そして、いくたびか孔子の門に別れを告げようかと考えたこともあった。しかし、思いきってそれも出来なかった。こうして、ぐずぐずしている間に、彼の腹の中の鼬はいよいよ彼に、表面をかざるための小策を弄さした。そして、小策を弄したあとの淋しさは、そのたびごとに、いよいよ深くなって行くばかりであった。

こうして彼の顔色は、孔子の眼にもつくほどに、血の気を失って来たのである。

彼は、とうとうある日、ただ一人で孔子に面会を求めた。