Japanische Klassiker mit Furigana
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かいのあなにかっぱのいること
貝の穴に河童の居る事
泉 鏡花
Lesen Sie 貝の穴に河童の居る事 (かいのあなにかっぱのいること) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.260 Zeichen · 32 Bildschirme
」
「まだ、踊ってるようだわね、話がさ。」
「私も、おばさん、いきなり踊出したのは、やっぱり私のように思われてならないのよ。」
「いや、ものに誘われて、何でも、これは、言合わせたように、前後甲乙、さっぱりと三人同時だ。」
「可厭ねえ、気味の悪い。」
「ね、おばさん、日の暮方に、お酒の前。……ここから門のすぐ向うの茄子畠を見ていたら、影法師のような小さなお媼さんが、杖に縋ってどこからか出て来て、畑の真中へぼんやり立って、その杖で、何だか九字でも切るような様子をしたじゃアありませんか。思出すわ。……鋤鍬じゃなかったんですもの。あの、持ってたもの撞木じゃありません? 悚然とする。あれが魔法で、私たちは、誘い込まれたんじゃないんでしょうかね。」
「大丈夫、いなかでは遣る事さ。ものなりのいいように、生れ生れ茄子のまじないだよ。」
「でも、畑のまた下道には、古い穀倉があるし、狐か、狸か。」
「そんな事は決してない。考えているうちに、私にはよく分った。雨続きだし、石段が辷るだの、お前さんたち、蛇が可恐いのといって、失礼した。――今夜も心ばかりお鳥居の下まで行った――毎朝拍手は打つが、まだお山へ上らぬ。