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Japanische Klassiker mit Furigana

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まけないおとこ

負けない男

佐々木 邦

Lesen Sie 負けない男 (まけないおとこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.799 Zeichen · 202 Bildschirme

Aozora Bunko

家へ帰って又出直す心組だったが、お昼過というともう間もない。但し十二時過もお昼過、一時も二時もお昼過だ。

「チェッ! 要領を得ない奴だ」

と矢張り癪に障る受附だった。二時なんてことになると、二時半に訪れて来る道子さんに失望を与えなければならない。

「帰ろう。婆やに断って置く」

と決心したのを、

「昼からといえば食事をして来るのだから、一時頃だろう。一時に会って三十分話して直ぐに帰れば二時半に充分間に会う」

と考えを翻した。

「しかし危い。一時過二時頃まで待たされるかも知れない」

と又思い直して、停留場へ急いだ。

一時過に四度目○○新聞社へ出頭した堀尾君は、

「おい。君」

と初めから喧嘩腰だった。

「唯今お見えになりました」

と今度は受附も覚えていた。

「お目にかゝりたいんですから、これを取次いで下さい」

と堀尾君は安藤先生の名刺に自分のを添えて渡した。先刻の事務員は社務多忙と見えて、知らん顔をしていた。其奴を睨んでいる間に受附が出て来て、

「何うぞ此方へ」

と応接間へ案内した。

待つ間もなく、容貌魁偉の中老紳士が入って来て、

「木下です」

と言った。

「初めてお目にかゝります。