Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
まずしきひとびとのむれ
貧しき人々の群
宮本 百合子
Lesen Sie 貧しき人々の群 (まずしきひとびとのむれ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.959 Zeichen · 118 Bildschirme
実世間のことを少しずつ見聞して、大人の生活が分りかけて来た彼等男の子等の胸は、両親に対する同情と、常に自分等よりもずっとよけいな衣類や食物を持っていて、異った様子をし、異った言葉で話す者共へ対しての憎悪と猜疑(さいぎ)で充ち満ちていたのであろう。
俺らが大事の両親に辛い思いをさせ涙をこぼさせるのは、あのいつでもその耳触りの好い声を出して、スベスベした着物を着て、多勢の者にチヤホヤ云われている者共ではないか?
親切らしい言葉の裏には伏兵のあることを、いつとはなく半分直覚的に注入され、「町の人あ油断がなんねえぞ」と云われ云われしている彼等であろうもの、いきなり私が現れて、優しい言葉を掛けたからとて私を信じ得る筈はない。
彼等の頭には先ず第一に僻(ひが)みが閃いた。
「またうめえこと云ってけつかる!」
で、一時も早くこの小づらの憎い侵入者を駆逐するために、
「おめえの世話にはなんねえぞーッ!」
と叫んだのであった。
彼等はもう、いわゆる親切は単に親切でないということを知っている。
貧乏はどれほど辛いかを知り、その両親へ対して生々しい愛情、一かたまりになって敵に当ろうとする一方の反抗心によって強められた、切なる同情を感じているのである。