Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とばくのふさい

賭博の負債

田中 貢太郎

Lesen Sie 賭博の負債 (とばくのふさい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.317 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

道士は筆を執って何か書いてそれを函に入れ、香を焚いて拝んでいると、その函がひらひら空へあがって往った。そして、暫くするとはじめの函が落ちてきて道士の前へ止まった。函の上には、徹という字が書いてあった。道士はまた香を焚いて拝んだ後に函の蓋を開けた。それには、張の生命を五年延ばしてやるという意味の文書が入っていた。

「五年の生命が延びた、これからは身を謹み、心を清くせんければならんぞ」

張は喜んで礼を言って道士の前を辞し、一足歩いて振り返って見ると、もう庵もなければ道士もいなかった。そして、十里あまりも歩いたところで、かの黄いろな服を着た男がひょっこり前へきて立った。

「あなたのお陰で、五年間生命が延びました、どんなお礼でもいたします、言ってください」

黄いろな服の男は、

「私は何もいらない、華山の神へ約束の金を献上して、私を門番にしたいと言ってもらいたい、そうすると、私の苦痛もなくなる、私はもと宣城の生れで、脚夫をしていた関係で、死んでからも死人の籍を運送することを言いつかっている」

と言い言い歩いて往って、そこの柏の木の傍で消えてしまった。

張は華陰の旅館へ帰ったが、華山の神へ献上する金が惜しくなった。