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Japanische Klassiker mit Furigana

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くまとしゃしょう

赤い鳥代表作集 2

木内 高音

Lesen Sie 赤い鳥代表作集 2 (くまとしゃしょう) von 木内 高音 (きうちたかね) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 14.043 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

要吉たちは、それをまた、ひとつひとつ、まるで、宝玉ででもあるかのように、ていねいに、そっともぎとるのでした。ですから、自分の家の桃だといっても、要吉たちの口にはいるのは、虫がついておっこったのや、形が悪いので問屋の人にはねのけられたのや、そういった、ほんのわずかのものでした。

要吉は、ある年、近所へ避暑にきていた大学生たちが、自分の家のえんがわへ腰をかけて、一粒よりの水蜜桃をむしゃむしゃと、まるで馬が道ばたの草をでもたべるようにたべちらすのを見た時の、うらやましい驚きをいつまでも忘れることができませんでした。

――あんなに大事にしてそだてあげた水蜜桃も、こうした東京の店へくれば、まるで半分は、箱づみのままにくさっていくのだ。

要吉はくやしさに思わず、太ったおかみさんのからだをむこうへつきとばした夢を見て目をさましました。

と思うと、今度は、やぶの中へすててきた、ネイブルだの、バナナだの、パイナップルだのが、ひとつひとつ、ぴょんぴょんととび上がって、要吉の胸の上で、わけのわからないダンスをはじめました。そうすると、いつのまにか、いなかのおとうさんや妹たちの顔が、それをとりまいてめずらしそうに見物しています。