Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.351 Zeichen · 43 Bildschirme
四
と藤吉は云った、「おれは話をまとめるために骨を折った、断わるんなら自分でやれ、おれはまっぴらだ」
猪之は断わったらしい。先方からなにも云って来なかったから、断わったものと思われるが、それでその居酒屋へはいきにくくなり、六丁もはなれた住吉町に河岸を替えなければならなかった。
「そいつがきっかけになったんでしょうか、それからはのべつ女にちょっかいを出すようになりました」藤吉は手で会釈をして、登の膳にある燗徳利を取った、「しかもあいつらしく、向うからもちかける女には眼もくれない、まえにも云ったとおり、昔から女の子にはもてるやつでしたが、どういうわけかそういう女には決して手を出さない、つんとすまして、そっぽを向いてるような女に、こっちから熱をあげるんです」
四
その年の冬になってから、猪之はまた「嫁にもらいたい女がある」と云いだし、藤吉に口をきいてくれと頼んだ。ちょうどそのとき、藤吉にも縁談が始まっていた。相手は「大政」から出た大工の娘で、大政の頭梁から話があり、よければ仲人をする、と云われていた。それがいまの女房おちよで、藤吉は承知したものの、会ってみるとひどくまだ子供っぽかった。