Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.146 Zeichen · 40 Bildschirme
と登が云った。
「覚えていてくれたとはうれしいね」と玄三は皮肉なうす笑いをみせた、「保本とはいつも入れ替りになるんだな、こんどはおれが元返りをするわけだがね」
登は半太夫を見た。半太夫は眉をしかめて、そっぽを向いていた。
「あの女をどうする」と津川が訊いた。
「新出先生が会うことになっているんだ」と登が云った、「先生が帰るまで待てと云ってもらおうか」
「酔っているぜ」と津川が云った、「控所で喚きたてているが、いいかい」
登はちょっと考えてから云った、「じゃあおれが会おう、おれの部屋へ伴れて来てくれ」
「あなたのお部屋へ、ね」と津川は一揖して云った、「かしこまりました、若先生」
半太夫はぐっと拳をにぎった。登は去ってゆく津川を見送りながら、「気にするな」と半太夫に云った。
「気にするなって、――」と半太夫は振返って云った、「出てゆく保本はいいだろうが、おれはあいつといっしょに」
「ああ」と登は立ちながら手を振った、「そういきまかないでくれ、あいつはここにいやあしないよ、そのことは話したじゃないか」
半太夫はにぎった拳をひらき、それをまたぎゅっとにぎり緊めた。
「だが」