Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

せきがいせんおとこ

赤外線男

海野 十三

Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

「呀ッ!!」

運転手は弾かれたように、座席から立ちあがった。彼の面はサッと青ざめた。反射的にブレーキを掛けたが、もう駄目だった。

ゴトリ。……ゴトリ。……

車輪とレールとの間に、確かな手応があった。あのたまらなくハッキリした轢音が……。佐用媛がいきなりホームからレール目懸けて飛びこんだのだ!

それから後の騒ぎは、場所柄だけに、大変なものであった。

現場の落花狼藉は、ここに記すに忍びない。その代り検視の係官が、電話口で本庁へ報告をしているのを、横から聴いていよう。

「……というような着衣の上等な点から云いましても、またハンドバッグの中に手の切れるような十円札で九十円もの大金があるところから考えましても、相当な家庭の婦人だと思います。……ああ、年齢ですか。それがどうも明瞭でありませぬ。何しろ、顔面を滅茶滅茶にやられてしまったものですからネ。しかし着物の柄や、四肢の発達ぶりから考えますと、まず二十五歳前後というところでしょうナ」

係官は何を思い出したものか、ここでゴクリと唾を嚥みこんだ。

やがて鶯色のコートを着た轢死婦人の屍体は、その最期を遂げた砂利場から動かされ、警察の屍体収容室に移された。