Japanische Klassiker mit Furigana
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えっちゅうつるぎだけ
越中劒岳
木暮 理太郎
Lesen Sie 越中劒岳 (えっちゅうつるぎだけ) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.680 Zeichen · 10 Bildschirme
池ノ谷も雪の多い間は通行容易であるが、此谷は幅狭く、入口に近く高い瀑があり、且つ右岸の絶壁から頻々と、時季によって雪崩や石が墜ちるので甚だ危険である。
三窓の雪渓が劒沢と合流する所には岩窟があって、少し陰鬱ではあるが安全なる野営地である。池ノ平にあった小黒部鉱山の飯場は、登山者に好都合であったが、鉱山と共に今は廃滅に帰して了った。大窓は小黒部方面から伊折へ行くには要用な通路で、其大雪渓は頗る立派なものである。
沢伝いに劒へ登る最も近い路は平蔵谷であろう。夫にしても雪渓が可なり急なので、慣れぬ人には登攀困難である。且つ其上部の岩壁は前に記した如く悪場であるから、好んで取る可き路ではない。此谷を平蔵と名付けたのは、芦峅の佐伯平蔵の名を採ったのであるけれども、平蔵が始めて此谷を上下した為ではない。始めてこれを下ったのは宇治長次郎で、一般の登山者では冠君である。夫を長次郎谷は既に有るからというので、近藤君が連れていた人夫の平蔵の名を之に与えたのが其儘通用するようになったのである。此谷と劒沢との出合に天幕を張るに好い場所がある。長次郎谷を登る人も其処に野営する方が割合に暖で且つ便利であろう。