Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅみのいでん
趣味の遺伝
Lesen Sie 趣味の遺伝 (しゅみのいでん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.235 Zeichen · 77 Bildschirme
それで毎朝起きるが早いか槍をしごくんだ……」
「槍はいいが、その老人に紹介して貰えまいか」
「いつでもして上げる」と云うと傍に聞いていた同僚が、君は白山の美人を探がしたり、記憶のいい爺さんを探したり、随分多忙だねと笑った。こっちはそれどころではない。この老人に逢いさえすれば、自分の鑑定が中るか外れるか大抵の見当がつく。一刻も早く面会しなければならん。同僚から手紙で先方の都合を聞き合せてもらう事にする。
二三日は何の音沙汰もなく過ぎたが、御面会をするから明日三時頃来て貰いたいと云う返事がようやくの事来たよと同僚が告げてくれた時は大に嬉しかった。その晩は勝手次第に色々と事件の発展を予想して見て、先ず七分までは思い通りの事実が暗中から白日の下に引き出されるだろうと考えた。そう考えるにつけて、余のこの事件に対する行動が――行動と云わんよりむしろ思いつきが、なかなか巧みである、無学なものならとうていこんな点に考えの及ぶ気遣はない、学問のあるものでも才気のない人にはこのような働きのある応用が出来る訳がないと、寝ながら大得意であった。ダーウィンが進化論を公けにした時も、ハミルトンがクォーターニオンを発明した時も大方こんなものだろうと独りでいい加減にきめて見る。