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Japanische Klassiker mit Furigana

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かるじょ

軽女

上村 松園

Lesen Sie 軽女 (かるじょ) von 上村 松園 (うえむらしょうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.707 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

二文字屋が、せめてもの名残りにと、ととのいもてなした酒肴を前にして、内蔵助もさすがにもののふの感慨に胸をあつくしたことであろう。

お軽はうち萎れながらも、銚子をとって内蔵助に別れの酒をすすめた。

内蔵助は、それを受けながら、何を思ったか、

「軽女、当分の別れに、一曲……」

と、琴を所望した。お軽は、この哀しい今の身に、琴など……と思ったのであるが、お別れの一曲と所望されては、それを断わりもならず、それでは拙い一手を――と言って、秘愛の琴をとり出し、松風を十三絃の上に起こし、さて、何を弾じようかと思案した末、内蔵助の私かなる壮行を祝して、

(七尺の屏風も躍らばよも踰えざらん。綾羅の袂も曳かばなどか絶えざらん)

と歌って、絃の音にそれを託したのである。

その歌は、内蔵助の胸にどう響いたか、内蔵助はにっこり微笑して、

「さらば……」

と、言って二文字屋を辞し、翌朝早く東へさして下って行ったのである。

ある人は言う。

(七尺の屏風も躍らばよも踰えざらん)

の一句は、内蔵助には、

(吉良家の屏風高さ幾尺ぞ)

と、響いたことであろう……と。

哀しみを胸に抱きながら、七尺の屏風も躍らばよも踰えざらん、と歌い弾じたお軽の奥ゆかしい心根。