Japanische Klassiker mit Furigana
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のうそん
農村
宮本 百合子
Lesen Sie 農村 (のうそん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.223 Zeichen · 97 Bildschirme
各々が思い思いの処に立って、夢からさめたばかりの様に気抜けのした、手持ちぶさたな顔をして、今まで自分等のさわいで居た処を見て始めて、折角盛り分けた薯の椀の或るものはひっくりかえり、いつの間にか上った鶏が熱つそうに、あっちころがし、こっちへころがし仕てこぼれた薯を突ついて居る。斯う云う、何とはなし重苦るしい手持ぶ沙汰、間の悪い沈黙を破ったのは、一番きかなかった額の大きな子であった。
「己食うべえ。
一人何か仕だすと子供等は皆木の椀を取りあげて勝手にてんでんばらばらの方を向いて、或る者はしゃくりあげながら、或るものは爪でひっかかれた蚓ばれをながめながら、味もそっけもない様に、ボソボソと食べ始めた。
私のわきで婆さんも見て居たものと見えて、
「あないにして食うても、美味かんべえかなあ。何も彼も餓鬼等の中がいっちええわ、なあ、お前様。
お前様みたいな方は、若いうちも年取りなっても同じなんべえけど、己等みたいなものは、婆になったらはあ、もうこれだ、これだ。
と変な笑い方をして手を左右に振った。
けれ共、この婆には、実の子が二人もあって皆男で今は村で百姓をして居るのだから、こんな草刈をたのまれたり、人の水仕事を手伝ったりしないで、かかり息子の家で孫の守りでも仕て居たらすみそうに思えた。