Japanische Klassiker mit Furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Lesen Sie 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.469 Zeichen · 157 Bildschirme
(下)
と云ったので満座又絶倒……。
(下)
かくして篠崎仁三郎の名は、次第次第に博多ッ子の代表として、花川戸の助六や、一心太助の江戸ッ子に於けるソレよりも遥かにユーモラスな、禅味、俳味を帯びた意味で高まって行った。
どんな紛争事件でも仁三郎が呼ばれて行くと間違いなく大笑いに終らせる。しかも女出入り。金銭出入。縄張りの顔立てなぞに到るまで、決して相手を高飛車にキメ附けるような侠客式の肌合いを見せない。そうかといって下手に出て御機嫌を取ったり、ヨタを飛ばして煙に巻いたりするような小細工もしない。いつもザックバランの対等の資格で割り込んで行って、睨み合い同志の情をつくさせ、義をつくさせて、相互の気分にユトリを作らせ、お互い同志が自分の馬鹿にウスウス気付いたところを見計らってワッと笑わせて、万事OKの博多二輪加にして行く手腕に至っては、制電の機、無縫の術、トテモ人間業とは思えなかった。通夜の晩などに湊屋が来ると、棺の中の仏様までも腹を抱えるという位で、博多魚市場の押しも押されもせぬ大親分として、使っても使っても使い切れぬ金が、二三万も溜まっていようかという身分になった。