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Japanische Klassiker mit Furigana

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じじょにかえて

近代浪漫派文庫 29 大木惇夫 蔵原伸二郎

蔵原 伸二郎

Lesen Sie 近代浪漫派文庫 29 大木惇夫 蔵原伸二郎 (じじょにかえて) von 蔵原 伸二郎 (くらはらしんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.296 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

狐

めぎつね

黄昏いろのきつね

おぎつね

きつね

めぎつね

野狐の背中に

雪がふると

狐は青いかげになるのだ

吹雪の夜を

山から一直線に

走つてくる その影

凍る村々の垣根をめぐり

みかん色した人々の夢のまわりを廻つて

青いかげは いつの間にか

鶏小屋の前に坐つている

二月の夜あけ前

とき色にひかる雪あかりの中を

山に帰つてゆく雌狐

狐は みごもつている

黄昏いろのきつね

山からおりて来た狐が

村の土橋のあたりまでくると

その辺の空気が狐いろになつた

残照のうすらあかりの中で

狐がたそがれいろになつたのだ

葦がさやさやと鳴つた

風は村の方角から吹いている

狐は一本のほそい

あるかないかの影になつて

村の方へ走つた

かくて

狐はまた一羽白い鶏を襲つた

おぎつね

黄昏どきの冬山は静かだ

一匹の雄狐が

枯木の三叉にのぼつている

はがれた皮だけのように

うすつぺらになつている

狐は鉄のにおいをぷんぷんさして

山すそから登つてくる見えない狩人の姿を

ちやんと見ていた

そいつの足音がいやらしい欲望の音である

のもしつているのだ

雄狐はゆつくり木からおりた

そして 月光いろの雌狐が待つている

四次元の寂寥の中へ消えていつた

きつね

狐は知つている

この日当たりのいい