Japanische Klassiker mit Furigana
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しぜんかいのきょぎ
進化と人生(下)
丘 浅次郎
Lesen Sie 進化と人生(下) (しぜんかいのきょぎ) von 丘 浅次郎 (おかあさじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.568 Zeichen · 109 Bildschirme
しかるにわれらのごとく、人間の知識なるものはあたかも闇夜の提燈と同じく、ただ近いところが見えるだけで、遠いところほど光が怪しくなると考えるものから見ると、これは全く順序を転倒したやり方で、一番不確実なところに土台をおいて、それによって万事を了解しつくそうと苦心しているのである。しこうしてなぜそのような愚かなことをなすのかというに、その理由は確かに類推の誤りにあるらしい。すなわち前に述べた鉄橋、その他の土木建築では、まず土台を固めてすべての物をその上に積み上げるが、人間の知識もその流儀でゆかねばならぬと思い込んだゆえである。われらはかような考え方の哲学を総括して橋杭哲学と名づけるが、実際の橋杭のほうは深く打ち込むほど堅固になり、ついには土台の岩石に達するに反し、哲学の橋杭は深く打ち込むほど確実性が減じ、ついには雲をつかむごときことになるゆえ、かれとこれとを同様にくらべるのは大きなまちがいである。今後の哲学は、よろしく出なおしてまず提燈の光のもっとも明るいところを出発点とし、それより次第に半径をのばして周囲の暗黒界に知識の領分をひろげゆくようにとつとめねばならぬ。