Japanische Klassiker mit Furigana
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えんぽうのはは
遠方の母
小川 未明
Lesen Sie 遠方の母 (えんぽうのはは) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.382 Zeichen · 7 Bildschirme
いま、彼女は、正ちゃんをおぶって、寂しい道を歩いていました。
「坊ちゃん、わたしが悪かったのですから、どうか堪忍してくださいね。」と、彼女はいいました。
子供は、それがわかったように、おとなしくしていた。そのとき、ちょうど、まんまるな月が、林の上へ上ったのであります。
「おお、いいお月さまだこと。坊ちゃんのお母さんは、あの中に、おいでなさるのですよ。」と、彼女は月を指さしながらいいました。正ちゃんは、じっと、月を水晶のような清らかな目でながめていましたが、それらしいなにかが映ったのか、
「お母ちゃん、……お母ちゃん。」と、自分も月を指さして、にっこりしました。――これは、正ちゃんが、はじめて、この世の中の哀れを解したときであったのであります。
――一九二七・一〇――