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Japanische Klassiker mit Furigana

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ごうすけほうし

郷介法師

国枝 史郎

Lesen Sie 郷介法師 (ごうすけほうし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.163 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

六十余り七十にもなろうか、どこか気高い容貌をした老年の乞食が樓門の前で、さも長閑そうに居眠っていた。

そこへ通りかかった岡郷介は、何と思ったかツカツカと近寄り、

「お父様!」と呼びかけた。そうして地上へ跪座いた。

驚いたのは乞食であった。

「私は乞食でござります。お父様などとはとんでもない。何かのお間違いでござりましょう」

「いえいえ貴郎はお父様です。夢のお告げがござりました。……昨夜のことでございますが、神々しい老人が現われ出で、『汝明日光善寺へ参れ、そこに老年の乞食がいよう、それこそ汝が年頃尋ねる実の生の親であろうぞ』と、お告げ下されましてござります。……何と仰せられても貴郎は父上。どうでも邸へお迎え致し孝養を尽くさねばなりませぬ」

郷介はこう云うと飽迄真面目に乞食の手を取るのであった。

「どうも不思議だ。解せぬことだ」

乞食は苦々しく笑ったが、

「ところで貴郎のお姓名は?」

「岡郷介と申します」

「なに?」と乞食はそれを聞くと颯と顔色を変えたものである。

「岡郷介? しかと左様かな?」

「何しに偽りを申しましょう」

「……ああもう遁れぬ運命じゃ。……さあどこへでもお連れ下され。