Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とかいはぜいたくだ

都会はぜいたくだ

小川 未明

Lesen Sie 都会はぜいたくだ (とかいはぜいたくだ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.024 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

「おかね、おまえも一杯飲んでごらん。」といわれたので、おかねは、びっくりして、

「私は、まだ、お酒を口にいれたことがありません。」と、辞退しました。

「いいえ、このお酒は、けっして、毒にはならないの。そして、それを飲むと、なにかしらん、昔のことを思い出すから……。」と、奥さまは、おっしゃいました。

「奥さま、昔のことといいますと……。」と、おかねは、なんとなく、なつかしいような不思議な気がしたのです。

「そうなの、忘れてしまったことを思い出すのだよ。」

おかねは、そういわれると、飲んでみたくなりました。

「すこしばかり、いただきます。」といいました。

青い夕空のように、淡いかなしみをたたえたお酒が、小さなコップにつがれました。おかねは、それに、くちびるをつけると、甘くて酒という感じはしませんでした。これなら、もっと飲めるように思いましたが、やはりそれは、酒でありました。いつしか、いい心地となったのであります。

しばらくすると、胸の中が熱くなりました。そして、おかねは、飲むのでなかったと思いました。

「忘れてしまった、昔のことって、いつ、思い出すのだろう? 奥さまは、私をおだましになったのかもしれない。