Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さけもたべものも

酒も食べ物も

山本 周五郎

Lesen Sie 酒も食べ物も (さけもたべものも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.845 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

ほかのことはともかく、食べ物のこととなると頑強にねばり、気にいらないおかずのときには、おちんぶり(だだをこねる、というくらいの意味)をかいて箸を取らない。黙っていつまでも坐っているので、――侍の家のことですから、いくらおやじでも長男を殴るということはむやみにはできないので、おやじとしてはやむなく、自分の面子をふところにしまってゆかなければならない。そこでおふくろはいそいで私のためにおかず拵らえをする、というふうになっていった。

こう書いてみると、いかにも私が我儘いっぱいに育ったように思われるかもしれないが、とんでもない。食べ物についてはそんなふうでも、その他の躾けには従順なもので、いま考えてみても自分を誇らしく思わずにはいられないのである。

この癖は酒についても同様ですな。私はよく酒徒のなかまに数えられるが、私ほど酒徒の常識に外れた者はないと思う。私は酒でもくいたしんぼで、日本酒はあまり好まず、葡萄酒、麦酒、ウィスキーなどを主に、銘柄や値段にお構い(下級のほうへ)なく、食べ物と口に合ったやつを飲む。特に葡萄酒は文学青年時代から好きで、貧乏だからメドックと大抵きまっていたが、ロースト・チキンの片股とパンと玉葱などを買って帰り、間借り部屋でこれらを食べ、メドックを流しこみながら売れない原稿と格闘したものであっ