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Japanische Klassiker mit Furigana

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のわき

野分

夏目 漱石

Lesen Sie 野分 (のわき) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.508 Zeichen · 189 Bildschirme

Aozora Bunko

こう広くはあるまいと思ってたが――いえ始めてで。おとっさんから時々御招きはあったが、いつでも折悪しく用事があって――どうも、よく御手入れが届いて、実に結構ですね……」

と胡麻塩はのべつに述べたてて容易に動かない。ところへまた二三人がやってくる。

「結構だ」「何坪ですかな」「私も年来この辺を心掛けておりますが」などと新夫婦を取り捲いてしまう。高柳君は憮然として中心をはずれて立っている。

すると向うから、襷がけの女が駈けて来て、いきなり塩瀬の五つ紋をつらまえた。

「さあ、いらっしゃい」

「いらっしゃいたって、もうほかで御馳走になっちまったよ」

「ずるいわ、あなたは、他にこれほど馳けずり廻らせて」

「旨いものも、ない癖に」

「あるわよ、あなた。まあいいからいらっしゃいてえのに」とぐいぐい引っ張る。塩瀬は羽織が大事だから引かれながら行く、途端に高柳君に突き当った。塩瀬はちょっと驚ろいて振り向いたまでは、粗忽をして恐れ入ったと云う面相をしていたが、高柳君の顔から服装を見るや否や、急に表情を変えた。

「やあ、こりゃ」と上からさげすむように云って、しかも立って見ている。

「いらっしゃいよ。