Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ななこ

野菊の墓

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓 (ななこ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.271 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

「女の前でよその女をほめるのは、ちっと失敬なわけだけど、えいやねい、おはまさん、おはまさんはおとよさんびいきだからねい」

おはまはわきを見て相手にならない。政さんはだれへも渡りをつけて話をする。外は秋雨しとしとと降って、この悲しげな雨の寂しさに堪えないで歩いてる人もあろう、こもってる人もあろう。一家和楽の庭には秋のあわれなどいうことは問題にならない。兄の生まじめな話が一くさり済むと、満蔵が腑抜けな話をして一笑い笑わせる。話はまたおとよさんの事になる。政さんは真顔になって、

「おとよさんは本当にかわいそうだよ。一体おとよさんがあの清六の所にいるのが不思議でならないよ。あんまり悪口いうようだけど、清六はちとのろ過ぎるさ。親父だってお袋だってざま見さい。あれで清六が博打も打つからさ。おとよさんもかわいそうだ。身上もおとよさんの里から見ると半分しかないそうだし。なにおとよさんはとても隣にいやしまい」

「お前そんなことをいったって、どこがよくているのかしれるもんじゃない。あの働きもののおとよさんが、いてくれさえすれば困るような事はないから」

兄はつやけのないことを言ってる。