Japanische Klassiker mit Furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.515 Zeichen · 23 Bildschirme
と手の青竹を振って見せて、「屍骸の上に覆せてあった小枝を払い、仏を石垣から蹴落して半兵衛さんを決め込んでたなあ、足袋の鞐と言い、それ、お前のぱっちの血形といい、佐平どん、あっしゃあ、お前の業と白眼むがどうでえ?」
佐平は首垂れて股引の血を見詰めながら、
「へえ、森元町から新棺の入りがあるちゅうこって、今朝七つ半過ぎに俺が墓あ掃除に出張りましたところが――。」
「お新!」若い納所が狂気のように叫び出した。「おほ、お、お――しん!」
「屍骸は原っぱだ。」憮然として藤吉が言った。「見る気があったら見ておやんなせえ。」
顫える足に下駄を突っかけて、若僧はべそを掻いて、駈け出そうとした。提灯屋が押えた。
「殺された女の情夫ってえのを、あんたは見たことがありますかえ?」
「見たことはありません、見たことはありません。」
「提灯屋、放してやれってことよ。」藤吉が嘯いた。「犯人なら先刻引き揚げてあるんだ。」
と、その言葉の終らないうちに、
「親分。」
裏口に大声がして、五尺八寸の勘弁勘次の姿が浮彫のようにぬうっと現れた。
「勘か? 首尾は?」
「上々吉でさあ。」と弥造を振り立てて、「二つ三つ溜りを当るうちに、三軒家町の真中でぱったり出遇った。