Japanische Klassiker mit Furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.598 Zeichen · 26 Bildschirme
まるで俺らを横眼で白眼んで、あっしゃあ、これこのとおり、正にまったく真実真銘、浦和から今来たもんでござんすと言わねえばっかり、へん、背後暗えな、とあすこで俺らあ感ずったんだ、正直の話がよ。」
「なるほど、一言もございません。」
「あとから小屋の籠城っぷり、はっははは、種ああれで揃ったというものさ。」
「お引立てを願います。」
往生際の綺麗さを賞めてやってもよかった。
芝居茶屋で見染め合ったお糸翫之丞の浮いた仲、金に転んで宿を貸していた乳母のおりき、嗅ぎつけて嫉妬の業火に燃え立ったのが片恋の許婚弥吉であった。その行動は掌を指すように藤吉が言い当てていた。浦和からの戻るさ、立場立場の茶屋で拵えさせた握飯を兵糧に、四日というもの物置に忍んで、昨夜、翫之丞を手に懸けおおせたものの、あまりと言えば細工が過ぎた。お糸を懲らすつもりの青竹獄門も、屍骸のやり場に困じての壁才覚も、結局は、釘抜一座の幽霊仕掛に乗って、いたずらに発覚を早めただけの自繩自縛に終った。
証拠の品はことごとく自分の懐中へ移したのが、香袋だけは、竹へ首を刺し立てる時に、抜け落ちて、紫殻の中に填ったのだった。