Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎんがてつどうのよる
銀河鉄道の夜
Lesen Sie 銀河鉄道の夜 (ぎんがてつどうのよる) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.529 Zeichen · 155 Bildschirme
にわかに男の子がばっちり眼をあいて言いました。
「ああぼくいまお母さんの夢をみていたよ。お母さんがね、立派な戸棚や本のあるとこにいてね、ぼくの方を見て手をだしてにこにこにこにこわらったよ。ぼく、おっかさん。りんごをひろってきてあげましょうか、と言ったら眼がさめちゃった。ああここ、さっきの汽車のなかだねえ」
「その苹果がそこにあります。このおじさんにいただいたのですよ」青年が言いました。
「ありがとうおじさん。おや、かおるねえさんまだねてるねえ、ぼくおこしてやろう。ねえさん。ごらん、りんごをもらったよ。おきてごらん」
姉はわらって眼をさまし、まぶしそうに両手を眼にあてて、それから苹果を見ました。
男の子はまるでパイをたべるように、もうそれをたべていました。またせっかくむいたそのきれいな皮も、くるくるコルク抜きのような形になって床へ落ちるまでの間にはすうっと、灰いろに光って蒸発してしまうのでした。
二人はりんごをたいせつにポケットにしまいました。
川下の向こう岸に青く茂った大きな林が見え、その枝には熟してまっ赤に光るまるい実がいっぱい、その林のまん中に高い高い三角標が立って、森の中からはオーケストラベルやジロフォンにまじってなんとも言えずきれいな音いろが、とけるように浸みるように風につれて流れて来るのでした。