Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
「貧乏神が役者絵をくれる。……どうも俺には解らない」
紋太郎は不思議そうに呟いたが、まことにもっとものことである。
「お役付きにもなりましたし、お役料も上がりますし、せめて庭などお手入れなされたら」
用人三右衛門の進めに従い、庭へ庭師を入れることにした。
紋太郎自ら庭へ出てあれこれと指図をするのであった。
ちょうど昼飯の時分であったが、紋太郎は何気なく庭師に訊いた。
「ええ、そち達は商売がら山手辺のお邸へも時々仕事にはいるであろうな?」
「はい、それはもうはいりますとも」
五十年輩の親方が窮屈そうにいったものである。
「つかぬ事を訊くようだが、百畳敷というような大きな座敷を普請したのを今頃どこかで見掛けなかったかな?」
「百畳敷? 途方もねえ」親方はさもさも驚いたように、「おいお前達心当りはないかな? あったら旦那様に申し上げるがいい」
二人の弟子を見返った。
「へえ」といって若い弟子はちょっと顔を見合わせたが、
「実は一軒ございますので」
長吉というのがやがていった。
「おおあるか? どこにあるな?」
「へえ、本郷にございます」
「うむ、本郷か、何んという家だな?」