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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

後棒の方がこういった。

「あい」と可愛らしい声がした。「もう着いたのでございますか」中から垂れが上げられた。「おやここは森の中、駕舁きさん、厭ですねえ。気味が悪いじゃあありませんか。どうぞ冗談なさらずに着ける所へ着けておくんなさい」言葉の調子が町娘らしい。

「まあ姐さん、急なさんな。着ける所は眼の先だ。がその前にご相談、厭でも諾いて貰わなけりゃあならねえ」こういったのは先棒であった。「おお後棒、もうよかろう。お前からじっくりいい聞かせてやんねえ」両膝を立ててうずくまり、腰の辺りを探ったのは、煙管でも取り出そうとするのだろう。

先棒は及び腰をして覗き込んだ。

「のう姐さん、もうおおかた、見当は着いているだろう。いかにも俺らは駕舁きだ。が、問屋場に腰掛けていて、いちいちお客様のお出でを待って、飛び出すような玉じゃあねえ。もうちっとばかり荒っぽい方だ。俺らは石地蔵の六といい、仲間は土鼠の源太といって、大した悪事もやらねえが、コソコソ泥棒、掻っ払い、誘拐しぐらいはやろうってものさ、さてそこでお前さんだが、品川から駕籠に乗んなすった時おりから深夜、女身一人、出歩こうとは大胆だが情夫にあいたいの一心から、家を抜け出して来たんだな、こう目星を付けたってものさ。