Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.163 Zeichen · 25 Bildschirme
「親分、いろいろのことがわかりましたよ」
「まア、一杯やりながら落着いて話せ。何がわかったんだ」
一度片付けた晩酌の膳を出して、猪口を二つ、燗ざましになった徳利の尻を、まだ熱くなっている銅壺に突っ込みます。子刻(十二時)近くまで飛び廻る子分に対してそれは平次のささやかな犒い心でした。
「あの磯の安松の野郎を早く縛らなきゃ」
「どうしたというんだ」
「あの野郎が秋山の娘と出来ていたんだそうで――尤も三文博奕を渡世の安やくざには違げえねえが、安松という野郎は飛んだ好い男ですよ」
「フム」
「秋山佐仲という浪人者はまた大変な野郎で、――昔々の大昔は武家だったかも知れないが、何処の藩の糊米を頂いたとも知れない、親代々の浪人者で、弁口がうまいのと、押出しが立派なのと、書画骨董が少しわかるのを資本に金持に取り入って偽物を売込んだり、才取りをしたり、押借り強請はやらないが、貸金の催促は名人で、刀を捻くり廻して、無理な金でもり取って来るという、大変な二本差ですよ」
「フム」
「その娘のお喜美が、宇田川小町と言われたきりょうだから、こいつは唯じゃ済みませんよ。さいしょは伊賀屋の業平息子源三郎と深い仲になり――」